私のヘッドホン遍歴とこれからの楽しみ方
2023-01-07
あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。
ヘッドホンオーディオをやっていると、というかヘッドホンに限らずとも、その機種をずっと気に入って使っていることもあれば、入れ替えたり買い足したりすることがあるかと思います。私もミーハーだったり新しいものに興味があったりで、いろいろと取っ替え引っ替えしてみた時期がありました。
イヤホン・ヘッドホンは、スピーカーに比べれば、いろいろな機種を体験しやすいメリットがあるかと思います。そのような中で、楽曲の新しい側面を発見したり、そもそもの聞こえ方、認知に関しても新たな知見を得ることができやすいと思っています。試聴でそのような体験を得ることはできるでしょうし、もちろん自分で購入してじっくり聴くのもよいと思います。
今の私は特に二つ目の、「音の要素に関する認知の向上」を重視しています。なぜなら、音のいろいろな要素を知れた方が音楽の意図をより理解でき、楽しみが深まるからと考えるからです。音楽鑑賞やオーディオという趣味を続けていくにあたっては、これは不可欠な要素の一つだと考えています。
ヘッドホンオーディオを始めた頃と今とでは、確かに昔から「普通の音でいいや」と思っていたとは言えど、聞こえ方や考え方は、少しずつ変化していっています。 機材にニュートラルに向き合って、良いと思うところを味わい、合わない点があればなぜ、どう合わないのかきちんと把握した上で、いろいろな人の感想を聞いたり読んでみたりすることで考えを深める、というのを繰り返して、今に至っています。 私はそう言う過程が結構好きですし、オーディオを楽しむ素養として一つ重要なことだと考えています。
その結果、昔と今で機材に対する評価が変わったとしても、ちゃんとアップデートすればまあいいかな、と思っています(適当)。その紆余曲折も、趣味としての楽しみなのかな、と思っています。
ということで、その紆余曲折の記録の一部として、過去所持したことのあるヘッドホンを覚えている限り、購入順にして記してみたいと思います。太字は、2023年1月現在、所持しているヘッドホンです。こうやってみると、色々挑戦してたなあと懐かしい気持ちになったりしますw
- AKG Q701
- beyerdynamic DT1770PRO
- モニターヘッドホンという世界を初めて知ったヘッドホンです。音楽を俯瞰して見るということを教えてくれた機種でした。今聴いたらどう思うんだろう。
- SONY MDR-Z1R
- 高級ヘッドホンの世界が知りたくて、中古ですがメイン機として頑張って買ったヘッドホンでした。この頃の機材では、高域が刺さったり新聞紙臭いような音になったりしてしまって、うまく鳴らせずとても悩みました。そのおかげで、電源ケーブルやアクセサリなどで音を調節する、ということを知ったと言うこともできますね。
- ULTRASONE Signature DJ
- 特定ジャンル(ここではクラブ音楽)をよく鳴らすには、当時のシステムを調節するよりそのジャンルに向いている機材を買った方がいいだろうと思って、サブとして買ってみたものです。今目指している音とは離れますが、特定の志向を達成するための機材選び、という考え方をここで得られたと今では思っています。
- Focal Elear
- Focal Utopia
- この辺りで買ってから去年までずっとメインで使っていた機種です。上流への追従性が非常に強かったため、本当にいろんなことを勉強させてもらいました。特にこの機種を使う中で、自分が目指す音とは結局いわゆる「普通の音」ということに改めて気がつくことができたのは、大きいです。
- GRADO GH4
- Pioneer HDJ-X10
- 「普通の音」を目指すには制作者が使っているモニターヘッドホンがよいのではないか、と思って、とあるサイトで激推しされていたのを見て買った機種です。結局その仮説通りにはいかなかったのですが、音自体は嫌いではなく、一度は売ったものの、現在買い直して iPad などに挿してふつうに使っています。
- AKG K240 Studio
- AKG K371
- SENNHEISER HD800
- 一世代前のフラッグシップを聴いてみたくて、サブとして購入したものです。この頃にはすでに次の世代とも言える Utopia を所持していて、それなりだなあ、と思った記憶があります。
- beyerdynamic T1
- これも HD800 と一緒で、一世代前のフラッグシップへの興味から購入したものです。音の速さと高域が特徴的だった記憶があります。T1 シリーズであれば、やはり初代かなあと思います。
- ULTRASONE Signature Pro
- モニターヘッドホンというのがどういう用途で使われるものなのかなんとなく体で理解してきた頃に手に入れて、その味を楽しんだ記憶があります。今もし手に入るのであれば、手に入れて聴き直してみたいヘッドホンの筆頭です。
- Audeze LCD-1
- 緩い音でしたが、気楽に使うにはちょうど良く、サブとしては一番気に入っていました。ただ、メインのヘッドホンが LCD-5 なので、サブが同じ Audeze なのはつまらないと思い、売却しました。
- Audeze LCD-5
- 現在のメインヘッドホンです。とても気に入っています。個人的には、Utopia や D8000 などの世代から着実に進化した、新しいヘッドホンだと思っています。
こんな感じです。昔は複数個持っていたのですが、最近は、メインとサブの 2 本に絞ってしまっています。その方が私としては集中して取り組めるからです。これにプラスして、さまざまなヘッドホンを試聴しています。これらを通じてさまざまな音にふれあい、刺激を受けてきたつもりです。
これからもいろいろな機種に触れていきたいと思っていますが、それに加えてこれからは、色々な方のシステムを聴いて意見交換をしてみたいです。交流することのメリットとしては、自分では気づき得ない部分でより新鮮な知見を得られるのではないか、と期待しています。
今までの自分はどちらかと言うと一人で色々考えて試していましたが、去年、たまたまスピーカー勢の方に声をかけていただき、ハイエンドなスピーカーオーディオの音や考え方に初めて触れ、他人から得られるものの大きさを痛感しました。音に対する理解・考え方を深めていくためには、これは非常に重要な機会だと考えています。単純に楽しくもありますし。
最近はご縁がありまして、何件かオフ会にも呼んでいただき、その度に色々なことを学べているような気がしています。単純に素晴らしい音楽を聴かせていただき参考になるというのももちろん、その場に同席している方々から得られる知見も、人によってバックグラウンドが異なるため様々な解釈・言語化があり、その視点の多角さや深さに感銘を受けたりしています。
また、ヘッドホン、スピーカーの枠に囚われず、いろいろなテクニックや機材を試してみようとも思っています。特にスピーカー界隈は歴史が長く、いろいろな知見が溜まっていそうなので、これを使わない手はないと思っています。これらの知見を使うことで、ヘッドホンの音をより成熟させていきたいです。
この時、ヘッドホンとスピーカーで、なるべくですが、同じ尺度を使って考えていきたいと考えています。つまり、ヘッドホンの構造上、たしかに音像定位などどうしようもない部分は出てくるかもしれませんが、音そのものの評価としては同じ考え方でも良さそうな気がしていて、そこに積極的に線を引く理由はよく考えるとないかな、と思っています。そうしたほうが比較対象が多くて、もっと楽しくなると思います。
まあこんな感じで、ぼちぼちと楽しくやっていくつもりです。私は残念ながらあまりお金がある方ではないので、歩みはゆっくりになると思いますが、着実に進めていきたいですね。