Abyss Diana DZ 超短評
今回は、私のメインヘッドホンとなったAbyss Diana DZについてお話ししたいと思います。購入したとツイートしてから大分経ったような気もしますが、最近になってやっとひとまずの感想がまとまってきた感じです。決してサボっていたわけではないです。たぶん。Abyss Headphones社は日本の代理店がなくなってしまっていて、公式サイトから直に購入するしかないのですが、ちゃんと日本への発送も対応しており、しかも速い運送プラン(FedExだったかな)を使ってくれました。ありがたい。
購入したものなので、環境は拙宅システムです。
いつもならさっさと音の感想に入るのですが、このヘッドホンについては、装着に言及せざるを得ません。Abyssのヘッドホンと言えば装着感が独特なことで知られていますが(私に)、このDiana DZも例外なく独特です。見た目からして従来からのDianaを踏襲しているので、当たり前ですね。この装着感は個人的に、耳上部のあたりをなかなかしっかり圧迫する割に耳の下は音がちょっとすっぽ抜けそうな、なんとも不安な感じがあります。ただ、当たり前ですがそれ込みで音を計算しているようなので、音は問題なかったりします。
肝心の音ですが、Abyssのヘッドホン(、というかDiana)以外にはあまりない利点があって、個人的には買ってよかったなーと思える音でした。
私が思うDianaシリーズの利点は、高域も低域も、先の方で丸めたりせずしっかり出すというところです。Diana V2を聴いたときにもこの利点を感じていましたが、DZでも健在なようです。ここはFocalのUtopiaシリーズに勝るポイントで、鋭い音でしっかりとした鋭さを感じられます。このためか、音色はその楽器なりにしっかり出てきており、描き分けもされているように感じます。
また、Dianaシリーズの特徴として、低域が結構しっかりとした帯域バランスなのにも関わらずアンバランス感がないところが良いです。音が「体にドスンとくる」とまでは行かなくとも、なんとなく体に届いてくるような感覚を得られるという点で、なんとなくスピーカーを想起させるような面もあります。このような帯域バランスに加えて、音離れ?がよく若干活発さを感じる音でもあります。品位には少しかけるものの、聴いていて楽しく、主に盛り上がりのつよいポップスではマッチする印象です。
かといって、別にクラシックなどが全然聴けないというわけではなく、上流の品位にはある程度きちんと追従しているイメージです。なお、装着感にはいろいろ文句を言ったものの音像定位などは特に問題がなく、音場も広く取られます。
このヘッドホンで惜しい点は二つあります。
一つ目は、たまに音像の芯が、細い糸というか骨のような細さで強く出てしまう場合があることでしょうか。バイオリンがわかりやすいですが、たまに、芯の中にキリキリと詰めたような細い骨のような存在を感じることがあります。この違和感は弦の表現ともまた異なる、異様なものです。システムの調整で気にならない方向へ近づけてはいるのですが、たまにまだ感じることがあります。
もう一点は、情報量の捌きがもう少しだということです。質感等出ていない訳ではないですし、なんなら今日本で売っている一部のハイエンドよりはマシなのですが、特に微細領域に近づくにつれて限界かなーと感じるような場面が出てきます。この点は、もしかしたらLCD-5の方が出ているかも。イメージとしては、動きの硬さを感じていて、音・表現のしなやかさに少々欠けるイメージです。また、背景情報があまり出てこない、0に落ちているなーと感じている時があります。
私がこのヘッドホンを選んだ理由は、主に最初に書いたDianaシリーズの良さを体感したかったからです。情報量については、今回に限っては最初から優先度を落としていました。いざ購入していろいろ聴いてみることで、自分の思っていたいいところを十分に味わえて、満足しています。
その一方、情報量ジャンキーである救えない自分も再認識しました。いい勉強になりました。今度の買い換えは、Utopia Third Generationのときかなー。