pontaのヘッドホンブログ

Austrian Audio Hi-X65 超雑感

2023-11-12

前回の更新から大分あいてしまいました。仕事が忙しかったり、モチベが出てこずヘッドホン自体一時期パッタリやめていたりなどありましたが、その中で、Austrian AudioのHi-X65はそこそこ良かったので、記録を残しておこうと思います。復帰したてなので耳が大幅に鈍っているかもしれませんが、そのうち改善すると思うのでご容赦ください。

Austrian Audio Hi-X65

現時点でのこなれ具合で総合的に見ると、6万円前後のヘッドホンとしては、かなりいい線をいっていると思いました。大まかなイメージとしては、音楽的にうまく補うというよりも、実直な表現が特徴だと思っています。例えば、音色はじめ、基本的にはニュートラルが基調です。

欠点からお話しますと、一番大きなところとして音像にまつわる部分があります。例えば、開放型ヘッドホンは一般に音抜けが良いことが特長の一つですが、この機種に関しては、やや抜けすぎるような感じがします。そのためか、音像がやや発散気味で、安定して立つ、といったようなイメージになりません。また、エージング中の話ですが、音像が少し透けて、その先が見えてしまうような感覚もありました。

また、その発散している部分が本当に音像周りにある響きなどの細かな情報と混ざるのか、やや曖昧になるようなイメージです。そういうところに意識が行きがちになるせいもあるのか、厚みとしてもやや乏しい気がしています。その他、低域の量感がやや乏しく、音の重さも少々軽めといった点もあります。

これらの欠点がありつつも、私はこの機種を結構気に入っています。

気に入っているポイントは基本的なところで、情報量や全体的な描写の出し方のような部分が、特によいと思っています。現代的な性能のドライバを積んでいるのか、情報量はこの価格としては十分追従できており、例えば、昔からあるHD650よりは器が大きいと思っています。ただし、あちらは情報量としてはそこまでですが、それを補うのが非常に上手です。

ハイエンドヘッドホンで低品質な録音を聴いたときのような録音の悪さはあまり感じないので、全体的な情報の間引きはやはりどこか存在し(空気感とかは音像の発散もあってややわかりにくい)、特に、微細方向の情報はある一定より下のレベルは、割とバッサリ切っている感じがあります。しかし、音色や音像濃度に関する階調の飛びをうまく間引いていて、下手に補うより飛びを感じにくいと思っています。倍音も安定して出ており、弦楽器の弦の感じなどに通ずるところも、うっすら出ています。

その他、音場が前の方に定位するような努力を感じるなどありますが、あまり印象には残らなかったので割愛します。

なお、これは長所というか特徴ですが、高域を中心にノイズと感じ取りやすい帯域にやや敏感に感じます。これはPCトラポのチューニングの際に思ったのですが、プロセスカットを進めていくに連れて、ジャリついたうるささがどんどんとなくなってゆき、音色や音像の収束感も良くなっていきました。こういうノイズ?は多方面に影響してくると思うので、もう少し詳しく聴いてみる必要はあるかな、と思っています。

Description of the line

実はこれ以外にも安めのヘッドホンを何本か買って試しては売り、というのを何回か繰り返していたのですが、このヘッドホンに関してはしばらく我が家で活躍してくれそうです。

そういえばAustrian Audioは近いうちにハイエンドヘッドホンを出すそうですね。個人的にもう少し音像やその周りに気を配ってもらって、また、音の品位を表現できるようにブラッシュアップしてくれれば、なかなかいい線行くんじゃないかなあ、と密かに期待しています。

Share with:

or